アンカリング効果って何?
「アンカリング効果」という言葉を聞いたことがない人もいるかもしれませんが、みなさんの日常にあふれている、人間の心理学を利用したマーケティング手法です。
ウィキペディアで「アンカリング」と調べると、以下のような内容が記載されています。
アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。
ウィキペディアより引用
なるほど・・・
全然わからないw
まず「認知バイアス」がわからないw
認知バイアスとは、ある対象を評価する際に、その目立つ特徴や要素に影響されて評価が歪められる現象を指す認知心理学や社会心理学の理論です。
ふむふむ。
何となく理解!w
「アンカリング効果」については、事例を交えながら説明すると非常によくわかります。
アンカリング効果の例
今回はこんな設定をイメージしてください!
・パソコンについては特別詳しくはない(ネットサーフィンしたり動画を観たり、たまに会社の資料を作る程度)
・49,800円の格安PCが新発売とのチラシが入ったのでお店に見に行った
さて、では早速事例を見てみましょう!
家電量販店のパソコン売り場に行き、早速その新発売のパソコンを見てみると、スペックの詳細が書かれています。
プロセッサー:インテル® Celeron® プロセッサー N3060
メモリ:4GB オンボード (1600MHz, DDR3L SDRAM)
ストレージ:128GB SSD (SATA M.2)
ビデオメモリ:メインメモリと共有
ふむふむ、よくわからないw
店員さんに利用目的や頻度を伝えると、このパソコンでも十分とのことでした。
どうやらこの49,800円のパソコンでも今まで通り、動画を観たり資料作成したりはできるようです。
購入を検討しながら一応他のパソコンも見てみようかなーと店内を歩いていると・・・
大特価!最終処分価格!
の文字が目に入ってきました。
本日限定50%OFF!!
最終処分価格:59,000円(税別)
そこには同じようにスペック詳細が書かれています。
プロセッサー:インテル® Core™ i3-7100U プロセッサー
メモリ:8GB (8GB×1)DDR4-2133MHz(最大8GB)
ストレージ:1TB ハードドライブ (SATA, 5400回転)
えー!すごーい!
正直、違いはよくわかりませんw
でもでも、こっちのパソコンはもともと118,000円だったものが、50%OFFで59,000円になっているのです!!
なんか・・・
こっちのパソコンの方がお得じゃん!!
と思ってしまい、結局、当初の予算より約10,000円ほど高いパソコンを買ってしまいました。
これがまさに「アンカリング効果」によるものですねw
もともと118,000円ですよー!
という最初に提示された金額が基準(アンカー)となってしまい、販売価格の59,000円がものすごくお得に感じてしまいます。
本来、スペックやインストールされているソフトなど比較することがたくさんあるにも関わらず、ついつい「元値の高さ」と「割引率の高さ」による「お得感」に関心が集中してしまうんですねw
今では当たり前になっているこの「アンカリング効果」を狙った販売戦略ですが、わかっていても見事にその作戦にはまってしまう人は多いようですw
アップルの戦略
この戦略をうまく使っているのが、日本でも多くの人が使っている「iphoneシリーズ」です!
アメリカで2007年6月29日に「初代iphone」が発売された時、4GB:499ドル、8GB:599ドルでした。
まず最初に、新しいものが好きな人が飛びつきました。
その後、2007年9月5日に4GB:299ドル、8GB:399ドルに、200ドルの値下げが行われました。
この値下げにより「お得感」を思いっきり演出することで、人々の財布の紐をゆるめて購入させることに成功しました!
さらにその後、2008年6月8日には次世代の「iphone 3G」を8GB:199ドル、16GB:299ドルとして販売。
わずか3日で100万台を販売しました!
アップルはiphoneを販売する際、比較対象のない新しい商品として最初の価格(アンカー)を高く設定し、それを下げることにより「お得感」を演出して顧客の購買意欲をくすぐり、その後の売上につなげることに成功しました!
まとめ
新商品や新サービスを販売する際は、最初の価格(アンカー)をどのように高く設定するかが非常に重要になってきます。
安易に決めずに、しっかりと戦略を練って価格設定を行っていきましょう!
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